FXは、土日を除く24時間いつでも取引できるのが大きな魅力です。
しかし、「いつでも取引していい」というわけではありません。
やみくもにエントリーするのではなく、価格が動きやすい時間帯(各市場のオープンから午前中にかけて)に絞って取引することをおすすめします。
「価格が動きやすい時間帯=市場参加者が多い時間帯」です。
参加者が多い相場はテクニカル分析が効きやすくなるため、結果的に「だまし」を減らすことができます。
さらに、三大市場(東京・ロンドン・ニューヨーク)には、それぞれ取引が活発になる「主役通貨」が存在します。
その時間帯の主役通貨を選ぶことで、イレギュラーな動きを回避し、より精度の高いテクニカル分析が可能になります。
各市場の特徴と主役通貨をしっかりおさえ、無駄な負け(だまし)を減らして利益を伸ばしていきましょう!

にゃんまる
参加者が多いってことは、一部の大口投資家の注文だけで相場が振り回されにくいってことや。
大多数の心理が反映されるから、セオリー通りの動きになりやすいんやで!
- テクニカル分析の「だまし」をできるだけ回避したい方
- 自分のライフスタイルに合ったFXの取引時間を見つけたい方
- 市場ごとの特徴やクセを利用して効率よく利益をあげたい方
- FX三大市場(東京・ロンドン・ニューヨーク)の基本を知りたい方
東京・ロンドン・ニューヨーク各市場の取引時間
FXは基本的に、土日を除く平日であれば、日本の祝日であっても24時間取引が可能です。
ただし、元日(1月1日)は世界共通の祝日となるため休場です。
また、クリスマス(12月25日)もロンドン・ニューヨーク市場が休場となるため、多くのFX業者で取引時間が短縮されます。
三大市場の基本的な取引時間(日本時間)は以下のとおりです。
1.東京時間(東京市場)
9時から17時
2.ロンドン時間(ロンドン市場)
16時から翌2時(夏時間:3月最終日曜日~10月最終日曜日)
17時から翌3時(冬時間:10月最終日曜日~3月最終日曜日)
3.ニューヨーク時間(ニューヨーク市場)
21時から翌6時(夏時間:3月第2日曜日~11月第1日曜日)
22時から翌7時(冬時間:11月第1日曜日~3月第2日曜日)
※ロンドン市場とニューヨーク市場には「サマータイム(夏時間)制度」が導入されており、夏は冬に比べて1時間早く相場が動き出します。
各市場の「取引開始直後」は相場が動きやすい
各市場がオープンする直後は、新たな市場参加者が一斉に取引を始めるため、値動きが急激に活発になる傾向があります。
この時間帯は、強いトレンドが発生する「パーフェクトオーダー」の起点になりやすいのが特徴です。
パーフェクトオーダーの狙い方については、以下の記事でくわしく解説しています。
一方で、直前までの相場の流れを完全に無視して、いきなり反転(逆行)することも珍しくありません。
市場のオープン直後は「そのままトレンドが継続するのか?それとも反転するのか?」を慎重に見極める必要があります。
土日は為替市場が休みになるため、基本的にFX業者での取引はできません。
しかし、通貨の価値自体は土日も変動しています。
もし土日に重大なニュース(政治的イベント、要人発言、天災、戦争など)が発生すると、月曜日の朝に為替レートが大きく窓を開けて(急激に価格が飛んで)スタートすることがあります。
取引ができない土日にポジションを持ち越すことは、不測の事態に対処できないリスクを抱えることを意味します。
デイトレーダーなど短期売買メインの方は、金曜日の夜にポジションを決済して週末に持ち越さないのが鉄則です。
中長期トレーダーの場合も、急変動に耐えられるようポジション量(ロット数)を適切に管理しましょう。
各市場の特徴・主役通貨・警戒すべきイベント
各市場にはそれぞれ独自の「クセ」があります。
共通しているのは「各市場の午前中は参加者が多く、値動きが活発になる」という点です。
また、市場ごとに取引量が増える「主役通貨」も異なります。
これらの特徴と、相場が急変動しやすい特定のイベントをおさえておくことで、無駄な損失を防ぐことができます。
【東京時間】の特徴と主役通貨
東京市場は、ロンドンやニューヨークに比べて市場参加者が少ないため、比較的穏やかな値動きになりやすいのが特徴です。
突発的な急変動が少なくレンジ相場(一定の幅を行き来する相場)になりやすいため、じっくり落ち着いてトレードしたい初心者の方に向いています。
主役通貨は、日本の市場であるため当然「円(JPY)」です。
また、オーストラリア市場と時間帯が重なるため「豪ドル(AUD)」の取引も活発になります。
東京時間では「ドル円」や「クロス円(ユーロ円など)」や「オージー(豪ドル)系」の通貨ペアを選ぶと、テクニカル分析が機能しやすくなります。
東京時間の注意点①:TTM(仲値)の決定時間(9:55)
日本時間の午前9時55分は、金融機関がその日の基準レートとなる「TTM(仲値)」を決定する時間です。
この時間帯の前後は、実需筋(輸出入企業など、実際の決済目的で為替を交換する層)の取引が集中するため、突発的にドル円などの値動きが活発になることがあります。

にゃんまる
TTMが決まると、それを基準にして銀行の手数料を上乗せしたTTS(外貨を買うレート)と、手数料を引いたTTB(外貨を売るレート)が決まるんやで!
東京時間の注意点②:ゴトー日
毎月5と10の付く日(5日、10日、15日、20日、25日、30日)を「ゴトー日(五十日)」と呼びます。
日本の企業はゴトー日を決済日に設定していることが多く、海外への支払いのために大量のドルが必要になります。
そのため、ゴトー日の仲値(9時55分)に向けて「ドルが買われやすく(円安ドル高になりやすい)」というアノマリー(経験則)があります。
【ロンドン時間】の特徴と主役通貨
ロンドン市場は世界最大の取引量を誇り、オープンと同時に相場がダイナミックに動き始めます。
東京時間の穏やかなレンジ相場を一気にブレイクアウトしたり、逆に東京時間で作られたトレンドを全否定して逆行したりと、激しい値動きを見せます。
パーフェクトオーダーも非常に発生しやすい時間帯です。
主役通貨は、ヨーロッパの主要通貨である「ユーロ(EUR)」と「ポンド(GBP)」です。
ロンドン時間では、ユーロやポンドが絡む通貨ペアを中心にトレードを組み立てると、きれいなトレンドに乗りやすくなります。
ロンドン時間の注意点:ロンドンフィキシング(ロンドンフィックス)
ロンドンフィキシングとは、東京時間の「仲値」にあたる基準レートを決定する時間のことです。
夏時間は日本時間の24時、冬時間は25時に行われます。
ここでは為替だけでなく「金(ゴールド)」の取引価格も決まるため、実需の巨大な注文が入り乱れ、東京時間の仲値とは比べ物にならないほどの急変動を起こすことがあります。
特に注意が必要なのが、月末・四半期末・年末のロンドンフィキシングです。
この時期は、世界中の機関投資家(年金基金やヘッジファンドなど)が「リバランス」を行うため、テクニカルを完全に無視した暴力的な値動きになるリスクが高まります。
この時間帯の前後はポジションを縮小するか、取引を見送るのが賢明です。
機関投資家が、資産配分(ポートフォリオ)の比率を目標どおりに再調整することを「リバランス」といいます。
【リバランスの具体例】
① 当初の目標配分を「米国株50%・欧州株50%」とする。
② 米国株が大きく値上がりし、資産の比率が「米国株60%・欧州株40%」に崩れてしまった。
③ 比率を元に戻すため、値上がりした米国株を売り、値下がりした欧州株を買う。(=米国株50%・欧州株50%に戻る)
このように、利益が出ているものを売り、安くなったものを機械的に買う巨大なフローが発生するため、相場のトレンドとは逆の不自然な動きが起こりやすくなります。
【ニューヨーク時間】の特徴と主役通貨
日本時間の21時~24時頃は、ロンドン市場の午後とニューヨーク市場の午前が重なるため、1日の中で最も市場参加者が多くなり、取引がピークに達します。
トレンドがさらに力強く加速することもあれば、重要な経済指標の発表を機に大きな反転を見せることもあります。
ボラティリティ(値幅)が大きいため、しっかりトレンドに乗れれば大きな利益を狙える時間帯です。
主役通貨は、世界の基軸通貨である「米ドル(USD)」です。
ニューヨーク時間はドルストレート(ユーロドルやポンドドルなど、米ドルが絡むペア)を中心にチャートを分析しましょう。
ニューヨーク時間の注意点:NYオプションカット
NYオプションカット(ニューヨークオプションカット)とは、通貨オプション取引の権利行使の締め切り時間のことです。
夏時間は日本時間の23時、冬時間は24時に行われます。
この締め切り時間が近づくと、オプションの権利を持っている投資家たちが「自分に有利なレート」で確定させようと、強引な為替の売買を仕掛けてくることがあります。
そのため、オプションが設定されている特定の価格(ストライクプライス)にチャートが吸い寄せられたり、締め切りを過ぎた瞬間に大きく反発したりと、テクニカル分析が通じない荒れた値動きになる傾向があります。
通貨オプションとは、「あらかじめ決められた期日に、決められたレートで通貨を売買できる権利」を取引することです。(買う権利=コール、売る権利=プット)
【「1ドル100円で買う権利」を持っている方の場合】
・現在が1ドル110円に値上がりしている場合:
権利を使えば、市場価格より安い「100円」でドルを買えるためお得です。買ったドルをすぐ110円で売れば利益が出ます。(権利を行使する)
・現在が1ドル90円に値下がりしている場合:
市場で普通に90円で買ったほうが安いため、わざわざ「100円で買う権利」を使う必要がありません。(権利を放棄する。損失は最初に払ったオプション料のみ)
NYオプションカットの時刻には、この権利が「使えるか、使えないか(利益が出るか、無価値になるか)」の瀬戸際にある価格帯で、投資家同士の激しい攻防戦が繰り広げられます。
要注意!取引を避けたほうがいい3つの時間帯
いつでも取引できるFXですが、以下に挙げる3つの時間帯はリスクが高いため、特に初心者はエントリーを見送ることを強く推奨します。
1. 日本時間の早朝(朝6時~8時頃)
ニューヨーク市場が閉まり、東京市場が本格的に開くまでの早朝の時間帯(夏時間6時~7時、冬時間7時~8時頃)は、世界的に市場参加者が激減します。
流動性が極端に低くなるため、各FX業者のスプレッド(取引手数料)が通常の何倍にも広がってしまいます。
また、買いと売りの注文自体が少ないため、突発的なニュースが出た際に価格が大きく飛ぶ(急騰・急落)リスクもあります。
スプレッドが平常に戻るまでは取引を控えましょう。
2. 各国の祝日でメイン市場が休場の日
日本が祝日の日は、東京時間の参加者が減少し、相場が動意づかなくなったりスプレッドが広がりやすくなったりします。
同様に、アメリカの祝日(独立記念日など)はニューヨーク時間、イギリスの祝日はロンドン時間の取引を避けるのが無難です。
3. 重要な経済指標・イベントの発表前後
米国の雇用統計やCPI(消費者物価指数)、各国中央銀行の政策金利発表などの超重要イベントが控えていると、発表直前は様子見ムードになり値動きがピタッと止まります。
そして発表された瞬間、上下どちらかに数百pipsも暴れ狂うことがあります。
これはテクニカル分析が全く通用しない「ギャンブルトレード」になりやすいため、初心者は発表直後の飛び乗りは厳禁です。
もし指標発表時のボラティリティを狙うのであれば、過去チャートで発表直後の値動きのクセを徹底的に検証し、必ず損切り(ストップロス)を設定した上で挑みましょう。
よくある質問(Q&A)
FXの取引時間や市場の特徴に関して、よくある疑問をまとめました。
A. ロンドン市場とニューヨーク市場の取引時間帯が1時間ズレます。
夏時間は冬時間よりも1時間早く市場が動き出すため、経済指標の発表時間なども1時間前倒しになります。
季節の変わり目(3月と10月〜11月)は、発表時間を間違えないよう特に注意が必要です。
A. 参加者が極端に少なくなる「日本時間の早朝(朝6時〜7時台)」や、相場が急変動する「重要な経済指標の発表前後」です。
また、クリスマスや年末年始なども流動性が低下してスプレッドが広がりやすくなるため、取引を控えるのが無難です。
まとめ
最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
- 価格が動きやすい「各市場の午前中」を狙って、だましを減らそう!
- 各市場の「主役通貨」を選んで、トレンドにしっかり乗ろう!
- 各市場のオープン直後は相場が動きやすい。パーフェクトオーダーの発生を要チェック!
- TTM、オプションカット、リバランスなど、テクニカルが効かなくなる時間帯の取引は避けよう!
- 日本時間の早朝や、祝日で休場となる市場での無理なエントリーは控えよう!
東京・ロンドン・ニューヨークの各市場ごとに「参加者が多い時間帯」と「主役となる通貨」を選ぶことは、テクニカル分析の精度を極限まで高め、だましによる無駄な負けを減らすための最短ルートです。

にゃんまる
テクニカル分析がしっかり効く環境でトレードすれば、再現性が高まってイレギュラーな動きも回避しやすくなるな!
まずは自分が見やすい時間帯の市場のクセを観察してみるのがおすすめやで!